摩耶山

 このところ絶好の夏山日和が続いているというのに、まだこんな所でうろうろしている。天気の心配はなくても、行き帰りの渋滞を思うと腰が重い。夏山の盛期は短いから、とりあえず山優先で突っ走るのが正しい山屋というものだろうに、まったく以て敢闘精神に欠ける体たらくである。
 せめて冷房の効いた部屋から出て汗をかいておこうといつもの黒岩尾根。前回より湿度は低く風も少しあるので頑張って歩いて、上の公園まで1時間を8分オーバーで到着。このコンディションでは上等だろう。掬星台には今回は登山者の姿が少ない。さもありなん、みんな高い山へ行ってしまったのだ。
 帰りの布引谷沿いの道には、前回はなかった豪雨の痕跡が所々に残る。たぶん2日の大雨の時のもの。道が流れた水でえぐれていたり、徒渉点の飛び石がなくなっていたりする。ちょうど10年前の夏にもこの道は集中豪雨で大きな被害を受けている。その時は川沿いの桟道が流されたり、道が土砂で覆われて消えてしまったり、一部ではルートの変更も余儀なくされたのだが、今回はそれほどの被害ではない。飛び石の置き直しが必要なぐらいか。増水すれば根元を水が洗う位置にあるオニグルミの木も、大きくなった実をつけて息災だった。

消えてしまった森林植物園への飛び石道