レンズキャップ考

 先日の明神平登山で一眼レフのレンズキャップをなくした。前回、鈴鹿でレンズフードを落としたのに続いての失せ物である。一眼レフを山に持っていくのはなにかと大変だ。
 タイミングよく「デジカメWatch」にレンズキャップに関する面白い記事が出た。一眼レフの交換レンズに工作を施してレンズバリアを着けてしまおうという内容だが、その前提として交換レンズにもコンパクトデジカメと同じようなキャップレスの開閉システムが必要だと主張しているのは、なるほどなと思った。
 昔も今も、一眼レフ用レンズはメーカーを問わずすべて手で着け外しするキャップ式だが、カメラがこれだけハイテク化している時代に、レンズの開閉だけはローテクを墨守しているのは、考えたら不思議だ。交換レンズは早くから技術が確立された分野なので、技術者にレンズはかくあるべしという固定観念があるのではないだろうか。
 プロの中には煩を嫌ってレンズキャップをまったく使用しない人も多いようだが、レンズ面を常時むき出しにしているのはやはり不安だ。かといって今のキャップ式だと、脱着のたびに手間取ってシャッターチャンスを逃したり、少しの衝撃で落としやすかったりと、なにかと不便だ。どう考えてもレンズバリアによるキャップレス開閉を採用しない理由は見当たらない。自動でも手動でもいいから、構えると同時にさっと窓が開く交換レンズをぜひ商品化してもらいたいものだ。「女流一眼」だとか「コドモにキッス」だとか、一眼の裾野を広げたいなら、次の一手はこれだと思う。
 ところで余談だが、今のレンズはフードをつけたままでもキャップの脱着ができるということに先日やっと気づいた。そのためにキャップも中ほどをつまんで持てるようになっている。知らなかったものだから、昔通りフードをわざわざ逆向けに着けてからキャップをしていた。フードの中に着けていたなら、キャップをなくすこともなかったろうに。こんなところにも固定観念の弊害が。