ミノルタAF Zoom 35-80mm F4-5.6

 昨日紹介した「デジカメWatch」の記事に次のような一文があった。

 『実は、レンズバリアを内蔵した一眼レフカメラ用レンズは、過去に製品化されたことがある。それが1988年にミノルタから発売されたαマウントの「AF Zoom 35-80mm F4-5.6」と「AF Zoom 80-200mm F4.5-5.6」である。 』
 これを読んでニヤッとしたね。実はこの「AF Zoom 35-80mm F4-5.6」を所有していることを思い出したのである。論より証拠、これがそう。
http://video.google.com/videoplay?docid=5046227272118829546
 ミノルタα3700iという安価な一眼レフの標準レンズだったもの。このカメラ、プログラムオートしかないという大胆な入門機で、当時としては抜群に小さくて軽かったのでよく山にぶら下げて行ったものだ。
 この2倍強のズームレンズも、写りは良いとはいえなかったけれど、ボディに合わせて軽く、山で使うには手動のレンズバリアがとても便利だった。ただしレンズフードは着けられなかった。
 今から考えるとこのキャップレスは画期的な試みだったけれど、当時はまったく評価されず、すぐにこのアイデアは忘れられてしまった。このボディとレンズが発売された1988年当時、まだ一眼レフはカメラ上級者が手にするもので、入門向けのシステムを大胆に追求したミノルタのトライは空振りに終ったということかな。ちなみに、キャノンが「EOS Kiss」という女性をターゲットにした入門機を売り出して成功を収めるのはその5年後のこと。ミノルタのアイデアは早過ぎた、そしてキャノンほどマーケティングが上手ではなかった。
 その「EOS Kiss」とてレンズバリアまでは踏み出していないのだから、このレンズは今は無いミノルタというカメラメーカーが残した「未来への遺産」といえるんではないかな。ちと大げさだけど。