12月の紅葉


 ようやく家の周囲も紅葉&黄葉の盛り。けれど考えたら、明日から12月だ。やや標高のあるこの辺りがこの遅さなのだから、下界は推して知るべし。「アインシュタインの眼」だったか、テレビで乗鞍山麓の紅葉の名木を定点観測して、氷点近くまで明け方の気温の下がる日が訪れると、変化のスイッチが入るという紅葉のメカニズムを解明していた。このところ朝晩冷え込んで、「暖秋」の印象はもはやなかったのだが、上の理屈から行くと、冷え込みの訪れが遅く、紅葉スイッチの入る時期がズレ込んでいるということだろうか。
 温暖化といっても、寒くならないわけではなく、雪が降らないわけでもない。冬の寒さは相変わらず厳しいのだ。生活のなかで温暖化を確かな異変として感知することは、日本ではそんなに簡単ではない。この国の自然は粘り強く打たれ強いから、乾燥地域や極地のように小さな変化で大きな痛手をこうむることはない。ただ、刈田が緑になったり、紅葉の時期が12月になったり、ささやかな自然の変化が物語るものに、しっかり耳を傾ける必要がありそうだ。