幼虫

 古い大きな切り株を片付けていると、転がりでたものがある。丸々太ったカブトムシの幼虫だ。腐った切り株の腐土のなかに何匹も入っているよう。庭いじりをやっていてよく見る、そして時々は鉢植えの根を食い荒らして泣かされるコガネムシの幼虫の数倍はあるだろうか。懐かしいというには少しグロテスクだが、遭遇するのは小学校の時以来。廃田の腐った藁山からたくさん捕まえて飼っていたことがある。結局、餌不足でわずかしか成虫にならなかったけれど。
 ネットを調べてみると、今やカブトムシの繁殖も、産卵から羽化までみごとにマニュアル化されている。園芸用の腐葉土でも育てられるが、大きく育てるには専用のマットを買うんだそうだ。コーカサス大カブトだって繁殖できてしまうらしい。育ててみようかと思ったが、何だか詰まらなくなって切り株に戻してやった。午後は、虫の感触を思い出しながら筑前煮のこんにゃくをちぎっていた。
苦手な方には申し訳ない