関西空港

 しばらく海彼で学ぶ娘を関空に送る。わざわざ友だちが何人も見送りにきている。華やかな壮行の輪を、中年親父は目を白黒させて離れたところから眺めるのみ。おつむはともかくも、社会性だけは父親と違いちゃんと育っているようだ。なかなか図太いところのある娘だが、別れ際に意外にも目を潤ませていたのにはホロッとくる。メールなどの発達で、一昔前にくらべて疎絶の感覚は薄れたとはいえ、それでも物理的な隔たりからくる不在感は覆いがたい。しばらくはことあるごとに寂しさが心をよぎることだろう。