湯村温泉

 正月旅行の定番は蟹と温泉。兵庫県はそのどちらにも恵まれた正月旅行のメッカなのである。城崎には何度か行ったことがあるが、湯村に宿をとるのは初めて。地形的な制約のせいか、温泉街の規模や風情は城崎にはるかに及ばないものの、湯村には「荒湯」という唯一無二の強力な特長がある。川辺の湯壺に日本で最も高温だという98度の湯が豊富に湧いていて、かすかに硫黄臭のある湯気がもうもうと上がるなか、湯治客や観光客がたむろしている。天然の熱源を利用して温泉卵を楽しむ人が多いが、地元の人は野菜や蟹を茹でるのにも重宝しているらしい。
賑わう荒湯。川べりの足湯も人気(拡大)
湯壺に卵を吊るせば10分ほどで温泉卵に
人影のない早朝の荒湯