スヴャトスラフ・リヒテル『平均律クラヴィア曲集』


 アマゾンのマーケットプレイスで注文していたCDが届いた。アメリカはマイアミのCAIMANなる業者に注文したもので、発注から20日ほどかかっているが、価格は国内版の半値以下。内外の価格差をある程度埋めることのできる、有り難いシステムだ。パックに貼られた送り状を見ると、ValueとしてJPY894.00と記されているので、これが元値だろうか。国際郵便を使っても(しかもこちらに請求されるのは国内送料340円だけ)、これなら十分に利益が出るわけだ。パックにはもう一つ、「PRIORITAIRE」と記されたシールが貼られていて、その下には「Deutsche Post」という文字も。よく分らないが、通販でよくあるメーカー直送みたいなもので、もしかしたら業者は送料を負担していないのかもしれない。
 まあ、他人の金儲けの詮索はこれくらいにしておいて、LP時代以来久しく聴いていないリヒテル平均律。第1番ハ長調前奏曲が鳴り出すと懐かしさが湧いてくる。そうそう、これこれ。朝靄に閉ざされた空が、曙光に染まっていくのを見るような素晴らしい始まり。さっそくCD4枚分をパソコンに取り込んで、iPod shuffleに落とし込む。大層なオーディオ装置ではなく、こうして聴いてみたくて買ったCDだ。しばらくは音の花園のような、いや花園も森もすべてある音の沃野のようなこの曲集で楽しませてもらうことにしよう。