赤地利蕎麦

 薬草好きの知人からアカネという触れ込みでもらった一株が、フェンス際でぐんぐん成長し、盛りには2mのブッシュになって、周囲の植物を脅かしている。それだけなら早々にお引き取りを願う所だが、秋に蕎麦のような花を株全体につけるので、伸びすぎた茎を片づけるだけにとどめている。そう、それは本当に背の高い蕎麦の雰囲気で、猛々しく叢生する茎とは対照的に、秋風に揺れる純白の花は可憐でさえある。様子が違うので調べてみた所、シャクチリソバと判明。薬草は薬草だが、アカネとは縁もゆかりもないタデ科の植物だった。別名ヒマラヤソバ、宿根ソバ。ソバにごく近い植物で、食べられなくもない実をつけ、花穂や茎は高血圧の生薬になる。もちろんどちらも試したことはない。