グレートサミッツ

 昨夜遅く、BShiで標記の番組をやっているのを見始めたら、動けなくなってしまった。結局、早暁まで半分ウトウトしながら3本見る羽目になった。鳥の声がし始めた頃になって風呂に入り、寝床にもぐり込んだ。
 世界の名だたる名峰を、アマチュアNHKのディレクターなどがガイドに導かれて苦労しつつ登る様子を、じっくり見せてくれる新しい山岳シリーズ。少し前から宣伝していたので知ってはいたが、見てみると実にいい出来だ。日本百名山から始まって、日本の名峰、女優の海外トレッキングシリーズなどと、長く力を入れてきたNHKの山岳ロケ番組の集大成といえる力作ではなかろうか。
 昨夜やっていたのは、マッターホルンアンデス山脈第2の高峰ワスカランとモンブランの3本。ウィンパーが初登頂したヘルンリ稜を登るマッターホルン編は、手に汗握る映像の連続。実に臨場感があって、自分がその場にいたらどういう心境になるかさえ想像できるほどだった。モンブランには何とか登れても、マッターホルンのあのそそり立つピラミッドの鋭角の岩稜なんぞ、逆立ちしたって自分の登山の範疇には入ってこないことを思い知った次第だが、さして岩登りに習熟しているようにも見えない女性ディレクターが、ヒイヒイ言いながら登り切ったのには恐れ入った。それを上から下から縦横に撮影して、ヨーロッパアルプスを登るとはどういう行為かをまるごと映像化してしまったカメラマンにも舌を巻く思いだった。
 後日、まともな時間に放送されるようなのでまた見なければ。ほとんど眠っていて登山部分を見逃したワスカランは特にね。デジタル放送が見れるようになって、初めてハイビジョンレコーダーがないことを残念に感じた番組だった。それにしても、こんな超目玉番組をなぜ中途半端な時間に3本まとめて安売り放送したのか。いまだに訳が分らない。