静かな花盛り





 まだ寂しい庭で盛りを迎えているヘレボラス。こうしてあおり気味に撮ると、この時期の花としては本当に立派で、スミレ咲く日本の早春にはミスマッチと感じられなくもないのだが、人の目を避けるように俯いて咲くので、みごとな花の割には一人勝ちの奢りを感じさせない。そんな魅力ゆえに庭の木陰にこっそり植えておきたくなる花だ。長く散らず色褪せながら咲き続けるのに、春の花が咲き誇り始めると急速に影が薄くなり忘れられて、下草のような存在になってしまうのも毎年のこと。それまでの短い控えめな主役の座だ。