Spring


Helleborus 'Ericsmithii'
 久しぶりに庭に出てみると、色んな植物がもう動き出している。やや標高があって、夜になると裏山の冷気が下りてくるこの庭では、下界はもちろん近所の庭に比べても万事に動き出しは遅いのだが、先日来の馬鹿陽気についに植物もだまされてしまったようだ。庭植えのヘレボラスが一気に花茎をもたげ始めているし、バラやハニーサックルの芽も噴いている。寒さに強い早春の花はともかく、まだきっとあるだろう寒波に、柔らかい芽がやられないか少し心配だ。

Helleborus purpurascens
 先日紹介した奥手の原種のプルプラセンスもようやく全開になったので、それでもうつむき加減な花のかんばせを少し下から覗き込む。ピンクに緑に灰色みたいなのも混ざった、まあ何と微妙な色合い。花というのは普通、より鮮やかな色が喜ばれ、品種改良の方向もそっちに向っているものだが、ヘレボラスに関してはそうとも言えない。これは原種だが、園芸種にもこの複雑微妙な色合いが残されていて、それはまだ冬枯れの色の少ない庭にとけ込みつつ、控えめに彩りを添えて、鮮やか一方のパンジーなどより季節にいっそ相応しい。