秋光

午雲
 いい秋晴れが続いている。哺下、庭に斜めの光が注ぐのを眺めていると、今年は柿の赤くなるのが早く、枝には取らずにおいた熟柿しか残っていないし、花壇はすでに衰残の有り様で、はや晩秋の気配が身に迫るようだ。好ましい思いと物寂しく恨めしいのと、二つの気分が入り交じるのは、自分にも漸くさまざまな老いの声が身近だからか。元政上人の詩を思い出して、秋の眺めには確かに無限にものを思わせる深みがあると思う。
  高槻道中
 青田は漠漠として青山に接し
 僧舎・民村は煙霧の間
 無限の秋光 無限の意
 碧天は涼冷にして白雲は閑なり
暮雲