桜島八景


鹿児島市内からの桜島の日の出

鹿児島港からの桜島

磯庭園の五月幟桜島

有村溶岩展望所からの桜島南岳

湯之平展望所からの桜島北岳

湯之平展望所からの北岳山頂部

黒神導流堤からの桜島火山

黒神からの昭和火口
 南九州の旅から。
 南九州といってもほとんど鹿児島で、宮崎が少しというコースだったのだが、鹿児島というのは面白い県で、懐に鹿児島湾という深い湾を抱え込んだ形になっている。この鹿児島湾というのがまた面白い湾で、北から姶良カルデラ、阿多北カルデラ・阿多南カルデラという3つのカルデラの巨大な窪地がつながって、そこに海水が入り込んだのが成因らしい。そして姶良カルデラの縁に噴出したのが桜島火山で、阿多南カルデラの縁にできたのが指宿の諸火山や湖だ。だから鹿児島の旅のほとんどは、火山の過去の振る舞いの跡を訪ね、現在の姿をめでる行程になる。火山マニアにはこたえられない土地である。
 鹿児島の火山の代表格は言うまでもなく桜島だろう。この日本でも指折りの活発な火山と、わずか2.5キロの海を挟んで対峙する鹿児島市は実に豪勢な都市だ。目を上げれば東海上にはいつも煙を上げる若い火山があって、その鬱勃たる姿が人を鼓舞する如くである。乱世に英傑を輩出したのもそんな土地柄ゆえかもしれない。旅の一日、鹿児島から時計回りに鹿児島湾の北端、すなわち姶良カルデラの縁にそって垂水まで至り、さらに桜島を一回り、つまり2重丸を描くように走りながら桜島を眺めてきた。けっして美しい姿の山ではないが、どこから見ても存在感のある、心騷がす山なのである。