「近世大坂文人画の世界」展


 芦屋市立美術博物館で開催中の標記の展覧会を見た。
 江戸後期には、全国各地に漢詩人がいて詩盟が盛んだったのと同様に、書とともに文人のもう一つの重要な嗜みである画をよくする人も多かった。田能村竹田は『山中人饒舌』で「又漢画と称する者あり。亦数派を分かつ。/曰く京派、曰く摂派、曰く江戸派、曰く長崎派。」と言っているが、その摂派漢画の面目をうかがうことができる展覧会。
 関西大学図書館の蔵品を中心に個人蔵を加えた50点ほどが展示されていて、意外に見応えがあった。詩書画の交わりのなかで描かれた軽い技芸的なものだけでなく、独立した作品を意識した力の入ったものも少なくない。それぞれの作風が多様で個性的なのも意外だった。大雅・蕪村を初めとする江戸の優れた南画家の周辺には、多くのプロ・セミプロの画人がいて、それぞれに一家の風に工夫を凝らして、その絵で多くの京阪の床の間を飾っていたのだろう。そして、こうした厚い文人画の伝統の上に、伝統の危機と時代の転回に触発されて、鐵齋の画業が出現したのだろう。
 会期は2月22日まで。