今昔文字鏡

 先日エーアイ・ネットから届いたお知らせによると、今昔文字鏡の新バージョン16万字版が発売されるそうだ。それは結構なことだが、自分が持っているのは一番最初の8万字版で、その後10万字版・15万字版とバージョンアップされてきて、時間が経ちすぎているためサポート終了扱いになり、一つ前の15万字版にさえバージョンアップする権利は失っていた。ましてや新版となるとと諦め気分で案内を読むと、何とどの旧版からでも優待バージョンアップが可能なようだ。発売元が紀伊國屋書店からエーアイ・ネットに変わり対応が柔軟になったようで有り難い。いい機会だから、最新版に更新しておこうと思っている。
 もちろん16万字という文字数は十分どころか、たぶん学者先生以外にはほとんど必要のない数で、自分のように時たま江戸の漢詩をネットに上げる程度ならユニコードの2万字でもほぼ事足りている。ただ、漢字には異字体がやたらと多くて、微妙な字体の差異を完璧にフォローしようとすると今昔文字鏡に頼るしかない。まあ、そこまで厳密な原典再現を期待されている立場にはないし、原典の字形をあくまで保存したいのならスキャンして画像保存する方が手っとり早いのだが、自分の手で入力したテキストデータの一部として、たとえそれが文字画像であっても、古い文字をネットに流す楽しさはまた別物だ。それにパソコンで手軽に利用できる漢字辞典としてもやはり今昔文字鏡は必携だと思う。