裏山にいます

 長らく手入れをしていない裏山が荒れつつあるので、この冬は気が向いたら上がってみることにする。今日はその第一日ということにして、そのために新調しておいた鉈と竹切り鋸をベルトにつけて、長靴姿で突入。
 第一の難物は竹。いらぬ所に勢力を広げているし、混み合った竹藪は枯れ竹・青竹入り混じってジャングル状態で手がつけられない。それでも手をつけないわけにはいかないので、少しづつ整理していくことにする。まず、竹切り鋸で倒す。竹は空洞だから鋸を入れるのは容易だが、何しろ長いので他の竹に引っかかって簡単には倒れない。そこで横に引きずって少し降ろしてまた切る。それを何回か繰り返して完全に倒す。それだけならさほど手間ではないのだが、面倒なのが枝払い。枝をつけたままの竹は邪魔になって仕方がないので、鉈でもってすべての枝を幹から落とす。
 この鉈ワークが慣れないうちはなかなか大変。竹の枝は払いやすい方向・角度があり、また刃物を振り回すので安全な態勢を心がけなくちゃならない。むやみやたらと力を入れても、勢い余って危険があるし疲れるばかり。かといって、スパッと枝を落とすにはある程度のスピードが必要。ここで役立つのが刃が細い軽めの鉈。うなぎ鉈という湾曲した細長い鉈が使いやすい。
 竹の次に面倒なのがはびこった雑木。裏山の場合、主にアラカシ。関西は照葉樹林帯なので、放っておくと常緑樹ばかりの森になる。高木の下の開けた歩きやすかった場所がアラカシの苗だらけになっているので容赦なく刈っていく。成木の枝のかぶさったものも落とす。太い枝にはうなぎ鉈よりずっと重いため、深く一撃できるおたふく鉈が向く。鉈におたふくとは不思議な名だが、幅広の丸っぽい形を見ると何となく感じがあるなあ。もちろん鋸で切ってもいいのだが、鉈の方が手っとり早い。
 雑木の整理はさほど時間はかからないが、竹の方は簡単にはいかない。青竹よりもずっと堅くて難儀な枯れ竹と何時間か格闘したが、先はまだまだ長い。無理しても後が続かないので、コツコツ少しづつが肝要。一日20本ほどのノルマで春まで時たま山に入ったら、少しは見れるようになるのではないかな。春になったらまた次の竹が生えてくるだろうけど。
うなぎ鉈とおたふく鉈