汶川地震

 日本で呼ぶところの四川大地震は、現地では汶川地震という呼び方が一般的なようだ。百度画像検索で汶川地震を検索すると、たくさんの無残な写真が現われてくる。確かに、中国は広大で四川省も日本より広いのだから、四川大地震という呼び方は大まかすぎるかもしれない。被害は北部の汶川県の断層が通る峡谷沿いに集中していて、省都成都からはかなり遠い。ましてや首都北京からは遙かに遠いから、片や被災地では悲惨な状況が続いているのに、一方では近づくオリンピックに浮き立っている。そこには気の遠くなるような落差が感じられる。もし日本で、いや他の国でも、同じことが起これば、とてもオリンピックどころではないだろう。数万人の死もさざ波程度にしか水を揺らさない、中国という器の巨大な容量、その文明の底知れない深さを感じざるを得ないのだ。

地震の前の汶川の美しい峡谷