2008-01-22 大窪詩佛 詩 ○江天暮雪 雲脚 流れるが如く 風 威有り 雪花撩亂 空に漫りに飛ぶ 洲邉漁艇 重なって纜を添ひ 江上人家 半ば扉を掩ふ 歳月堂堂 水と同じく逝き 老慵 事事 心と違う 暮天 何ぞ用いん驢に跨がりて出づるを ただ待つ 前邨 酒を買ひて歸るを 詩聖堂詩集三編から。大火で詩聖堂を失い、妻を亡くして、人生の黄昏を見つめる詩佛晩年の雪景吟。前半の叙景から流れこむ老いの嘆きが痛切。