N響・スヴェトラーノフのチャイコフスキー

 今夜も賀茂泉をすすりつつチャンネルを漁っていると、地デジのNHK-Eチャンネルでチャイコフスキーの5番交響曲が鳴っている。なんとなく聞いていると、これがいいではないか。どんどん引き込まれて最後まで聴いてしまう。きれいな旋律のオンパレードで、下手をしたらきらびやかなだけの演奏になってしまいそうなこの曲を、スヴェトラーノフがどっしりと振っている。N響の音もいつになく根性が入っている。最後はもちろん大喝采。ロシア人指揮者も満足の様子で、胸に手を当ててオーケストラを讃える。なんか得した気分。調べてみると10年前の演奏で、名演の呼び声高く、2003年にはCD化もされている。ちょうどダイアナが不慮の死を遂げた年で、影像では省かれていたが、第2楽章の開始前にはスヴェトラーノフが「ダイアナ妃に捧げる」とスピーチしたのだそう。そういえばホルンのソロの美しい音色が心に残る楽章だった。