辰馬考古資料館


 香櫨園の辰馬考古資料館に立ち寄る。毎春恒例の鉄斎展をやっている。灘の酒「白鷹」を造る辰馬家が設立した博物館で、鐵齋と親しかった初代が所蔵した鐵齋画がやはり目玉。蔵品に扇面や人物画などの小品が多いのは、その濃やかな交友を物語るものか。けれど、重文の六曲屏風やしっかり描き込まれた山水も幾つか。今回は72歳のときに描かれた「老聃度関・陸羽煮茶図」の2図との出会いが収穫。それにしても、鐵齋の絵を見尽くすことなど、一生かかっても不可能だな。