鉄斎美術館


 久しぶりの清荒神もうで。新春の祝慶画展に滑り込み。これは毎年見ておかないとね。なじみの絵、初めて見る絵、広くはない展示室を好きなだけウロウロして楽しむ。なかでも、荘子にある八千歳の椿を描いたという「荘子八千椿図」が、ちょうど山門の脇で無数の花をつけて参拝の人を感嘆させている椿の古木の姿と重なって面白かった。大木と呼ぶほどの木ではないが、あの花の数を見ると、滑らかで緻密そうな幹と艶やかな葉に蓄えているエネルギーの大きさがうかがえる。鐵齋が椿の古木を敬しつつ描いた気持ちがよく分かる。
 山を下ってからは、「あいあいパーク」なる宝塚市立の園芸センターと陽春園という大きな園芸店へ足を伸ばす。山本周辺は古くからの園芸産地で、今も花と木の生産者が集中している。種類豊富なクリスマスローズと椿苗、珍しいストレプトカーパスなどが目を引くが、全体に値段が高めなのでぐっと我慢。代わりに、センターの隣にあった酒屋さんの「呉春あります」の看板に引かれて、二十年ぶりに名高い池田酒を購入。楽しみ、楽しみ。