尾瀬にも雪がきた。尾瀬沼ライブカメラはすっかり雪景色だ。昨日まで燧ヶ岳の山頂にさえ雪はなかったのに、強力な寒波が一気に季節を進めてしまった。深い代赭色をしていた沼尻の湿原も、美しい黄紅葉の山に向かって遙かに続いていた龍宮の十字路の先の長沢新道も、みんな単色の世界だろう。[山の印象]に秋の尾瀬のオマージュを作らなくちゃと思いながら、季節遅れになってしまった。
 山スキーの季節が近づいてくる。猛者たちのなかには、早くもスキーを担ぎ上げているがいる。そんなに焦らなくてもと思うが、かほどに山スキーの禁断症状は深刻なのだろう。スキーはあくまで雪山を楽しく歩くための、スノーシューに並ぶ道具、と割り切ってはいるものの、深雪の斜面を自在に駆けめぐるテクニックへの誘惑は絶ち難い。深入りするつもりはないし、そんな能力ももとよりないが、小さな冒険のとば口に立っているようなこのワクワク感は悪くない感じだ。さて、新しいシーズンはどこまで行けるだろうか。