2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

雷二題

昨日のこれでもかという雷雨の印象を引きずって雷噺。 稲妻 雷光を稲妻や稲光という。なぜ稲かというと、どうやら弥生以来の古い稲作信仰が関わっているらしい。稲妻の語源を岩波の古語辞典にあたってみると、《稲の夫(つま)の意。→いなつるび》とあり、「…

雷雨

2時頃から夕方まで、強烈な雷雨に見舞われた。直前まではかんかん照りの空で、今日もまたうだるような夏日と覚悟していたのだが、気がつけば一天俄かにかき曇り、今にも一雨きそうな不穏な雲行き。ちょうど嫁さんが留守の時だったので、あわてて下におりて…

神戸市立外国人墓地

娘が申し込んでいた修法ヶ原の外国人墓地見学会に出かけた。長らく一般には公開されていなかったのだが、2006年から月に一度見学会をやっているらしい。しかし、なんで一番暑いこの時期に申し込むかなあ。 昼過ぎ、六甲山中修法ヶ原の広場に集合して、ガイド…

冷麺

冷麺が好きである。冷し中華ではない。あの縮れたラーメンの麺にごちゃごちゃ具を乗せて、酢醤油やら胡麻だれをかけたまとまりのないものではない。牛肉で取った澄んだスープに、そば粉を使った弾力のある半透明の麺を泳がせ、キムチの味を効かせて食べる、…

三陸沿岸地震

また東北で地震。0時過ぎ、テレビを見ていたら「東北地方は強い搖れに注意」という緊急地震速報が出た。その後すぐ地震の一報。震源は岩手の三陸沿岸で、震度6強と大きい。前回の地震の余震なんかではなく、これは新たな強い地震だ。 阪神震災の後、よく言…

夏山本番

とは言ったものの、今年はもひとつ夏山気分が盛り上がらない。梅雨が例年になくあっさり明けてしまったせいで、今か今かと夏山開幕を待ち受ける気分が盛り上がらなかったためか、それとも単に衰えか。そういえば、山巓の空気をリアルタイムに伝えてくれる山…

黒澤明の「白痴」

ゆうべBS2でやっていた「白痴」は、完全にノーマークだったのだが、意外に面白い映画だった。(逆にその後期待して録画した成瀬巳喜男の「娘・妻・母」はそれほどでもなかったな)何が面白いかというと、とりあえずの感想なのだが、まずドストエフスキーの世…

荒れ庭

手入れをさぼっているうちに、花壇は荒れ放題だ。エノコログサがあちこちで穂を伸ばし、ツユクサがはびこり、植えた花も徒長してのたうち倒れ伏し、通路もまともに歩けない。鋏と手鍬を手に一日這いずり回って始末をすればちょっとはすっきりするのだろうが…

司馬遼太郎記念館

近くまで行ったので、司馬遼太郎の邸宅にできた記念館をたずねてみた。場所は近鉄八戸ノ里駅に近い市街地のただなかで、何となくイメージしていた生駒山麓の屋敷町などではなく、河内平野の低地のごく庶民的な環境だったのは意外だった。ただ敷地はかなり広…

高峰秀子

今週はBS2で深夜に成瀬巳喜男の映画をやっている。昨夜は「妻の心」、今夜は「あらくれ」、どちらも代表作といえるほどの出来ではなさそうだが、それでもついつい見てしまうのは主演が高峰秀子だから。原節子が咲き誇る薔薇だとしたら、高峰秀子は朝顔だろう…

夏訓・摩耶山

日曜は梅雨明けを思わせる暑熱のなか摩耶山に登った。しばらく山はご無沙汰のせいか、最近体調すぐれず腹もだぶつき気味。かくてはならじと、何年かぶりに自宅からのフル周回にチャレンジ。 コースはまず菊水山に登り、天王谷吊橋で有馬街道を渡って鍋蓋山へ…

ケン・フォレット『大聖堂』

久しぶりに出会った血湧き肉躍る物語。頽廃した修道院の復興をめざす修道院長と大聖堂の建設を夢見る石工を主役にした西洋版歴史大河ロマン。修道院を舞台にした小説といえば、『薔薇の名前』を思い出すが、あれは学者が高度な蘊蓄を傾け、想像的探求を逞し…

調子に乗ってまたぞろ雲写真。今日は季節外れのうろこ雲が暮方前の空を飾っていた。で、浮かんだのが、古今集の夏歌の最後を飾る凡河内躬恒の歌。 夏と秋と行きかふそらのかよひぢはかたへすずしき風やふくらん 季節の交代を景物に見るという、王朝和歌に通…

激しい雷雨が通り過ぎて、夕闇までのつかのまの晴れ間に現われた雲のドーム。傘を着た積乱雲。 詩人尾崎喜八は、敗戦後、隠れ住んだ八ヶ岳山麓で、一日3回の気象観測と雲の観察を習慣としたという。戦争協力の烙印を負った詩人の心を、悠々と窮まりない雲の…

ライバル美術史

東京国立博物館で今日から「対決−巨匠たちの日本美術」 と銘打った特別展が開催されている。タイトルに引かれてサイトをのぞいてみると、同時代の作家12組をマッチングした美術展らしい。日本美術史の至高と究極の対決みたいなもの。組み合わせは、 運慶 vs …

梅雨明け近し

四国がいつの間にか梅雨明けしていたよう。去年よりは19日早く、平年値からも13日早いというから、異例に早い梅雨明けだ。近畿も週間予報ではしばらく雨のない日が続くようだから、梅雨明け近しか。数日前からTシャツ・短パンで十分という蒸し暑い日が続い…

遠回り高速道

東海北陸道が本日全線開通だそうな。飛騨に行くには実に便利な高速道路で、特によく利用する登山基地新穂高へは、昔は飛騨川沿いに延々走って高山に至り、さらに平湯峠を越えて一日がかりで入ったものだが、今ではこの道のおかげで、夕方に出て日付けが変わ…

林達夫メモ

『林さんが園芸好きになった理由は「家の付属としての庭を作る必要から」だったと「私の植物蒐集―〔実際園芸〕主幹に答へて」の中で記している。ご子息の杲之介氏から「私の家―日本古農家を古英国風田舎家に―林達夫」というコピーを送っていただいた。一九三…

花と蟷螂

吹けば飛んでしまいそうなちっぽけな体で、いったい何を狙ってるんだろう。一人前に鎌を胸元に折りたたんで。今が盛りのヘメロカリスに来るどんな虫も、そのあるかなきかの捕獲肢には大き過ぎるだろうに。 けど夏の終わり頃には蝉をむさぼり喰らうプレデター…