2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

譲位

まだぎりぎり8月だというのに、今夜の秋めいた気配はどうだろう。山から下りた次の日から不安定な天候が続き、夏から秋への譲位は急速に進んでいるよう。かろうじて夏山に間に合って、充実した2日間を3千mの稜線で過ごせた、終わり良しの夏だったな。深…

タカネビランジ

今回の山行で出会った花でもっとも目覚ましかったのはこれ。北岳に咲いていたタカネビランジ。幾つもハシゴを攀じ登ってようやくたどり着いた八本歯のコルで、この花を初めて見た時は、ほんとうに嬉しかった。これからは、この花を見る度に、あの2900mのス…

白根三山縦走アルバム

広河原から望む北岳(拡大) 八本歯のコルに向けて大樺沢を詰める わずかに残る雪渓を見ながら 大岩壁から落ちるバットレス沢 見下ろす大樺沢と正面に鳳凰山 ガスのかかる北岳バットレス こわいハシゴ登りが続く 北岳南斜面のお花畑 いったい何種類の花が みご…

白根三山縦走

8月最後の晴れを座視しているわけにはいかないと、日曜、2年越しのプランの白根三山縦走に出かける。前夜2時、奈良田の一番上の駐車場にたどり着いて車中泊。最初のバスは5時半だが起きられず、8時前のバスで広河原へ。野呂川沿いに穿たれた道は、なる…

川瀬巴水展

以前にカタログを請求したせいか、渡邉木版美術からタダ券が送られてきたので、用事ついでに守口の京阪百貨店で川瀬巴水展を見てきた。やっぱり心地いい風景版画。渋くて微妙な色合いが洗練されているし、彫りと刷りも細かくて端正。一枚どこかに懸けておき…

地蔵盆

昨日は地蔵盆だったようで、子どもの人数分のお菓子の袋が届いている。といっても、もうお菓子をもらう年ではない娘たちなのだが。子どもの頃、地蔵盆といえば、もちろん楽しみではあるが、同時に夏休みの終わりを感じさせる、一抹の寂しさもまじる行事だっ…

夕立・ネムの豆

昨夕から今朝にかけて、この夏初めてといっていい夕立がやって来て、今日は過ごしやすい曇り日。またすぐに暑さが戻ってくるだろうが、こんな風に秋を感じさせる日が時折やってきて、それが次第に頻繁になり、季節は移っていくのだろう。夜の庭にはもう秋の…

Google Earth

Google Earthで地球散歩その2。世界中の隕石衝突孔をGoogle Earthで見て回ることのできる場所データがネットにあったので、ダウンロードして楽しんでみる。月や火星に見るような衝突クレーターが地球上にもけっこう残っているのに驚く。特に生々しいのをち…

イブキフウロ

ゲラニウム好きとして伊吹山で見たかった花がある。ハクサンフウロの変種のイブキフウロという種類。5弁の花びらの先が3〜4裂している、特色のある花。残念ながら、今回はハクサンフウロは見られたものの、イブキフウロは見つけられなかった。と思ってい…

花の伊吹山

中部の天候は弱含みで登山はおあずけだが、たまには足弱の嫁さんを山上に引っ張り上げようと、思いついて伊吹山に登る。といっても、9割方は車のお世話になり、残りの標高差100mほどを遊歩道で山頂へ。駐車場は車の熱気で下界とさほど変わらない暑さだが、…

荒れ庭・鏡花

庭は今、混沌の極み。暑いのと蚊がたまらんのとで、ずいぶん長く手入れを放棄しているうえ、軒並み宿根草の株が古くなって、散漫に弱々しく伸びた茎が倒れ伏して、さながら浅茅ヶ原。そういえば、泉鏡花に「淺茅生」という小説があって、乱れた庭を身重の美…

盛夏

こんなに夏らしい夏は何年ぶりだろうか。梅雨が明けても不安定な天候が続き、なかなか登山のチャンスが見つけられない夏がここ何年か続いていたのに、今年は遅い梅雨明けとその後の台風以降、ここまで申し分のない、というよりもお釣りが来るような過剰な夏…

敗戦記念日

正午からBShiでやっていた「あの日、世界は何をめざしていたのか」というドキュメンタリーは、日本の敗戦前後のアジア諸国と米ソの動きを丹念に追った3時間近い力作だった。今度アナログで再放送されたら録画しておかなくちゃ。 日本のポツダム宣言受諾…

御嶽山の花

同じ火山にもかかわらず、花の山白山とは対照的に、御嶽山は花の乏しい山だ。今回よく目についたのは、イワギキョウ、イワツメクサ、ミヤマダイコンソウくらい。他にこの山が名の由来のオンタデ、ヨツバシオガマ、火山砂礫のザレ場にコマクサを少し見た程度…

御嶽山

日曜は木曽御嶽に登った。前回の白山が不調だったので、重荷を担いだ縦走登山の前に、もう一度日帰り高山で調子を上げておこうという目論見。前夜、濁河温泉の登山口下の駐車場で車中泊。温泉までの林道は狭くて長くてカーブの連続の3拍子だが、20年ほど前…

二重山稜

昨日のニュースでは北アルプスの小蓮華山が3mほど陥没してしまっているとか。稜線に沿って亀裂が走っているということだから、山頂が二つに裂けかけているということだろうか。記事には新潟県の最高峰なんて書かれているが、登山的には白馬大池から白馬岳…

曝書

『およそこの百年のあいだに国の内外で洋紙に印刷出版された書物は、日光に当たれば当たるほど、黄ばんで破れやすくなり、表紙も褪色し脆くなる。土用干しは何の利にもつながらない。しかし、もう少し古い書物には曝書という付き合い方が必要になる。』 少し…

古楽器のシューベルト

最近執心のシューベルトの後期ピアノソナタの新しい入手盤。アンドレアス・シュタイアーが古楽器のフォルテピアノで弾いた、ちょっと毛色の変わった19・20番ソナタ。古楽器演奏の例にもれずいきいきとした印象の演奏だ。特に早く強く弾く部分はすばらしい躍…

鉄斎・蓮月

新学社という学習教材の出版を専らとしている京都の出版社があって、近代浪漫派文庫という不思議なシリーズを出している。その第2巻の「富岡鉄斎/大田垣蓮月」は、手軽に入手できる、この縁深い画人と歌人のコンパクトな著作集だ。特に、杉本秀太郎の『大…

地方本

旅の楽しみは色々あれど、本好きにとっては、地元で書かれ出版された、その地方ならではの本に出会うことも、その一つだと思う。先日の小さな温泉旅行では、『僕らはまちなみたんてい団』という児童書みたいなタイトルの地元本を見つけた。宿のロビーに置い…

城崎

週末は娘に留守番を頼んで嫁婆と城崎温泉に遊んだ。台風が山陰沖を通過した後のフェーン現象とかで、山陰但馬はむっとする暑さ。夕方、下駄をつっかけて土産物屋をのぞきながら温泉街をそぞろ歩き。いつも車と人で賑わうメインストリートから少し脇道に入る…

チャイコフスキー・コンクール

BS Japanでこのあいだのチャイコフスキー・コンクールを取り上げた2時間の番組をやっていた。ほんの触りだけだがヴァイオリンで優勝した神尾真由子の演奏もあって、その迫力に驚いた。本選の協奏曲など会場を圧倒していて、優勝して当然の大才だと感じた。…

北の庭

NHK教育の趣味の園芸40年特集番組というので、北海道の花の名所が紹介されていた。中でも印象に残ったのが、旭川の「上野ファーム」という個人の庭。今では有名になって苗屋も併設し、プロのガーデンになっているようだが、元は十数年前に農家の主婦が始めた…

夏山本番

甲信地方も梅雨明けして、いよいよ夏山本番。[南岳小屋]のホームページの今日の日記には、素晴らしい夕焼けの写真が見られる。平地ではちょっと見ることができない、高山ならではの豪奢な黄金の夕焼けだ。見ているうちに、開高健の『輝ける闇』の一節が浮…